History and the future
"KIMONO SUZUKI" ヒストリーと未来へつなぐ想い
「和の呼吸で生きていく。」
当店は静かな温泉街の一画にあります。有形文化財にも指定された老舗旅館が軒をなす、風情ある通り沿です。
時代と共に。
「有限会社 鈴木呉服店」1952年創業——。
戦後の復興とともに、日本中に活気が満ち始めた時代。
人々は日常の中で着物をまとうことが当たり前であり、その一枚一枚に家族の歴史や想いが宿っていました。
職人の確かな手仕事と上質な素材を届けることを使命に、地域に根ざした小さな呉服店として歩みを始めました。
高度成長期——暮らしとともにあった着物
1960〜70年代、日本は高度経済成長の波に乗り、街は活気と希望に包まれます。
まだ多くの女性が日常着として着物を着こなし、商店街や街角には和服姿が行き交っていました。
当店も嫁入り道具としての誂え、成人式に結婚式、茶会や初詣など、人々の節目を彩る着物を仕立て続けました。
着物は単なる衣服ではなく、「人生を祝うための大切な日本の衣装」だったのです。
消費文化の多様化——特別な日だけに着る和装
1970年代後半から80年代、洋装が普及し、着物は日常から徐々に姿を消します。
しかし、成人式、七五三、結婚式など「特別な日」には欠かせない存在であり続けました。
この時代は、人生の節目に装うフォーマルシーンのための品揃えを拡充し、より多くのお客様に和装の魅力を届ける方法を模索します。
着物は「特別な日を演出する衣」へと役割を変えつつも、その価値は色褪せませんでした。
グローバル化とデジタル化——新しい出会い
1990年代以降、世界は一気にボーダーレスに。
インターネットが広まり、ファストファッションが人々の生活に入り込む一方で、海外からは「KIMONO」という言葉が日本文化の象徴として注目され始めます。
このタイミングでオンラインでの情報発信を開始。
京都や浅草の街角で、着物をまとう若いカップルや女子旅を楽しむ人々の笑顔が、私たちに新たな可能性を教えてくれました。
現代——混沌の時代に求められる「整える文化」
2020年代、世界は予測できない変化の連続に直面します。
パンデミック、気候変動、価値観の多様化。
人々は「本当に必要なもの」「心を豊かにするもの」に目を向け始めました。
着物をまとう時間は、自分を整え、心を癒すひととき。
それは現代における“瞑想”や“マインドフルネス”にも通じる、日本人ならではの美しい所作です。
未来——着物は生き方になる
これからの時代、着物は再び日常に息づくでしょう。
それはかつてのような「"しきたり"として装う和装。」ではなく「自分らしさ表現する和装。」
サステナブルな暮らしの象徴として、またエレガントなファッションの選択肢の一つとしても、世代や国境を越えて共感を呼び、一枚の布が、人と人、人と文化をつなぐ役割を担う時代がやってきます。
KIMONO SUZUKIは、「和の呼吸で生きていく。」という理念のもと、
着物を「伝統を装う文化」から「現代に生きる文化」へと昇華させていきます。
一人ひとりが、日常の中に心の静けさと日本人のアイディンティティを取り戻す——
その未来を、私たちはお客様と共に紡いでいきます。
259-0314 神奈川県足柄下郡湯河原町宮上459-27
TEL:0465-62-3559